ヒーローズジャーニーで困難を乗り越える!
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ヒーローズジャーニーで困難を乗り越える!
ヒーローズジャーニーとは?
ジョゼフ・キャンベルという神話学者が世界中のあらゆる時代の神話や伝説を研究しました。
その結果、英雄のストーリー展開には共通する一連の流れがあることを発見したのです。
それを「ヒーローズジャーニー(英雄の旅)」と名付けたのです。
ヒーローズジャーニーには8つのステージがあります。
この流れに沿ってストーリーが進んで行くのです。
実はこの流れは、神話のストーリーだけではなく、あらゆる物語のストーリーとしても活用されています。その典型が、映画のシナリオです。
「スターウォーズ」や「ロードオブザリング」はまさにこのストーリーに則って展開されていることは有名です。
その他にも、ハリーポッター、マトリックス、千と千尋の神隠し…などなど、数々のヒット映画もこのヒーローズジャーニーモデルにピッタリと当てはまるのです。
子どもと観に行ったポケモンの映画やディズニー映画もこのヒーローズジャーニーにピッタリ当てはまりました。
では簡単にそれぞれのステージを解説します。
1.天命:Calling
天命という名の通り「お告げ」として天の声を聞いたり、突然使命に出会ったりすることがヒーローズジャーニーの始まりです。
多くのストーリーでは天命を受けるまで、主人公はまだ凡人の状態です。そしてどこか物足りない平凡な日常からストーリーが展開されて行きます。
そこに突如非日常的な出来事が起きます。
例えば…
- 夢を見る
- 助けを求められる
- 未知の物体や訪問者にで出会う
- 知らない場所に迷い込む
- 偶然自分で使命を見つける
このようなシーンとしてよく描かれています。
スターウォーズシリーズで最初に公開されたエピソードⅣでは、主人公のルークは育ての親である叔父さんに士官学校への進路を認めてもらえず、農業の手伝いをするという不満な日常として描かれています。そこにレイヤ姫からの「助けて!」というメッセージが届くのです。
ハリーポッターでは、主人公のハリーは叔父叔母といとこの家に預けられ、意地悪を受けるという満たされない日常から話が始まります。そこに魔法学校から突如入学許可証が届くという出来事が起こりストーリーが展開して行くのです。
千と千尋の神隠しでは、引越しに不満を抱えている主人公の千尋を乗せた車が、引越し先に行く途中に見知らぬ土地に迷い込むというシーンからスタートしています。
2.旅の始まり:Commitment
天命を受けた主人公は新たな旅に向かいます。
半ば強引に旅に進んで行ったり、人から誘われて戸惑いながら進んで行ったり、気がついたら旅に進んでいる、というパターンが一般的です。
3.境界線:Threshold
旅を始めると、慣れ親しんだ場所から未知の場所へ足を踏み入れて行きます。まさに日常と未知との境を越えて先に進んで行くのです。
境界線では多くの場合「行くべきか、行かざるべきか」という葛藤が描かれています。そして決断し境界線を越え新たな世界に飛び込むのです。
スターウォーズ(エピソードⅣ)では、旅の誘いを断るルークが家に帰ると叔父さん叔母さんが殺害されており、新たな旅への決意をするシーンがまさに旅の始まりから境界線を超える場面です。
ハリーポッターでは魔法魔術学校への特急列車に乗るため「9と3/4番線」の壁に突っ込むシーン。
マトリックスでは「赤いピル」と「青いピル」どちらを飲むのか選択を迫られ「このままの現実を選ぶのか?それとも真実の世界に進むのか?」と迷うシーンがまさに境界線を越える瞬間です。
4.守護者(メンター):Guardians
境界線を越えると自分を助けてくれる存在が現れます。メンターと呼ばれる師匠の存在の他、仲間、協力者などのサポーターも守護者になります。
また旅に必要な情報、資金などのサポートの他、強力な武器や能力を授かるタイミングでもあります。
スターウォーズ(Ⅳ)ではオビワン・ケノービーという師匠に出会い、輸送船のハン・ソロ船長やチューバッカがサポーターになります。
ハリーポッターではクラスメイトのロンやハーマイオニー、マトリックスではモーフィアスやトリニティーの存在が守護者になります。
5.悪魔(敵、試練):Demon
旅を進めると目の前に強力な敵や試練が現われます。
絶体絶命のピンチに直面するという外的要因の他、自分の内面に悪魔が現れることもあります。恐怖、怒り、憎しみ、嫉妬、空虚感、自信喪失などの負の感情を乗り越えて、敵に果敢に挑んで行くのです。
スターウォーズ(Ⅳ)ではダースベイダー、ハリーポッターシリーズではヴォルデモート、マトリックスではエージェントが敵として目の前に立ちふさがります。
6.変容:Transformation
守護者と共に幾多の試練を乗り越えて行くうちに、肉体的、技術的、精神的にも進化・成長して行き次第に英雄に近づいて行きます。
7.課題完了:Complete the task
旅の課題や目標を達成するステージです。
最大の敵を倒す、目的地に到着する、宝を手に入れるといったシーンとして描かれます。
また課題を完了したことで改めて旅の意義や意味を知るといった教訓のステージでもあります。
8.帰還:Return home
課題を完了し故郷に戻り英雄として迎えられます。
旅で得られた成果を分かち合う、旅の経験を次の世代に伝えるといった次のヒーローを育てる役割や、次の新たな旅の準備をする段階でもあります。
スターウォーズ(Ⅳ)では敵の要塞爆破に成功して帰還し、英雄として勲章をもらうシーンで終わります。
ヒーローズジャーニーを人生に生かす!
このようにヒーローズジャーニーは8つのステージから成り立っています。ではなぜそんなワンパターンの展開に人々は魅了され続けるのでしょうか?
実はヒーローズジャーニーは単なる理論ではないのです。
私たちの人生そのものがヒーローズジャーニーなのです。
ですからいつの時代の人々も、ヒーローズジャーニーを自分の人生と照らし合わせて見てしまうために、ストーリーに引き込まれるのです。
ではあなたの人生はどうでしょうか?
少し振り返ってみてください。
- これまで一番辛かった時期、敵や試練を体験したのはいつでしたでしょうか?
- あなたに力を貸してくれたサポーターは誰でしたか?
- 大きく進化成長できたのはいつでしたでしょうか?
- 境界線を越えて大きな転機を迎えたのはいつでしたか?
- 今のあなたはどのステージでしょうか?
実はあなたもまさに「ヒーローズジャーニー」を歩んでいるのです。
境界線を越えなければ新たな旅は始まりません。
新たな旅を始めなければ、敵は倒せません。
敵を倒さなければ英雄にはなれません。
そして旅には恐怖や不安、心配がつきものです。
特に「旅の始まり」「境界線」「悪魔」のステージでは大きな不安が生まれ、自信を失ったり、深い悩みの中に迷い込んでしまいます。
しかし、このステージを乗り越えると必ず「変容」や「課題完了」「帰還」がやって来るのです。
夜明けの来ない夜はないのです。
あなたの最大の敵は誰?
では私たちにとっての最大の敵とは一体誰なのでしょうか?
あなたに厳しく当たる上司でしょうか?
自分勝手な親でしょうか?
口うるさいパートナーでしょうか?
実は違います。
一見敵は他人のように見えても、本当の敵は自分の中にいるのです。自分の内面にある敵が、まるで鏡のように目の前に現れているのです。
自分の中にいる敵が自分らしい人生の歩みを止めてしまうのです。
多くの場合それは「怖れ」です。
- 他人から否定、拒絶されることへの怖れ
- 失敗への怖れ
そんな怖れが自信を喪失させ、怒りや憎しみに変化してしまうのです。
自分が怖れていることを知り、しっかりと向き合う。この姿勢が悪魔を打ち負かす唯一の道なのです。
ヒーローズジャーニーサイクル
ヒーローズジャーニーは8つのステージがあるとお伝えしました。そしてこのサイクルはグルグルと回り続けます。
参考までの私中村のヒーローズジャーニーを紹介します。
赤面症克服のヒーローズジャーニー
1.天命 30歳になっても赤面しまくりの毎日
2.旅の始まり なんとかしたい!赤面症克服への道スタート
3.境界線 リストラで部署が解散、異動して半強制的にリーダーに
4.守護者(メンター) 上司と同僚にげきを飛ばされる
5.悪魔(敵、試練) 失敗で自信喪失、過労で倒れる
6.変容 仕事もうまく行き、海外プレゼン成功
7.課題完了 自分に自信がつき赤面症を克服
8.帰還 自身の克服体験を悩める方に伝え始める
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心理セラピストとして次のヒーローズジャーニーへ続く…
このように、一つの旅を終えた後にまた次の旅に出かけ、新たな守護者と共に新たな敵に立ち向かい、さらに進化成長して次の課題を完結させて行くのです。
また人生の中でいくつかのヒーローズジャーニーを展開しながら、人生という大きなスパンでヒーローズジャーニーが展開されていることもあるのです。
恐るるなかれ!
もし今のあなたが悪魔に震え慄いていても…
旅に出る自信がなくても…
勇気がなくて境界線を越えられていないくても…
大丈夫!その怖れこそがあなたをより大きく成長させてくれるのです。
現状が辛ければ辛いほど、進化のタイミングなのです。
ぜひご自身の人生をヒーローズジャーニーに当てはめ俯瞰して、この先の進むべき道を目指して行ってください。
必ずや課題を完了して帰還できる時が来ると思います。
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