パブロフの犬とは?
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【第18講】 あなたも、パブロフの犬です!
パブロフの犬って知っていますか?
ノーベル生理学・医学賞を受賞したロシアのイワン・パブロフ博士が行った条件反射の実験です。
【パブロフの犬の実験】
まず犬にエサを与える時に必ずベルを鳴らしてから与えるようにしました。これをくり返すと犬の脳には「ベルの音=エサがもらえる」という関連付けが出来上がりました。そうすると、エサを見せずにただベルを鳴らすだけで犬はエサがもらえると認識して口からは実際によだれが垂れはじめたのです。
この実験で「条件反射」が発見されたのです。
私たちの日常でも実は同じような現象が起きているのをご存知ですか?
例えば、
・梅干を見ただけで唾が出る
・昔失恋した時に聞いた曲を聞いたら切なくなる
・小さい頃に好きだったアニメを観ると嬉しくなる
・苦手な人の顔を見るだけで緊張する
というように、過去の体験と感情が強く結びついていることもよくあるのです。
梅干を見たことも食べたこともない外国人はたとえ梅干を見ても何の反応も示しません。
という事は、梅干を見ただけで唾が出るのも過去の体験が起こしているのです。
私の事例もひとつ。
私は以前工場のメンテナンス部門で働いていたことがあります。
その時たまに家に電話がかかって来ることがありました。
「緊急突発故障が起きた!」という知らせです。
そして大慌てで家を飛び出したことが何度もありました。
ですから家にいるときにも「また電話で呼び出されるかもしれない…」という不安がいつもありましした。
そして電話がなると「故障の連絡か?」と一瞬ドキッとして凍りつくのです。
実はその会社を辞め後もその反応が残っていました。頭では突発故障の電話などかかって来ないとわかっていても、電話が鳴るとなぜだか「ドキッ」としてしまっていたのです。
このように、過去に何らかの強い感情を伴う体験をしたり、その体験を繰り返したりすると、同じ場面や似たような場面で毎回「お決まり」の反応をしてしまうことがあるのです。
この現象を【アンカリング】と呼びます。アンカーとは船の錨(イカリ)のことです。
ある行動や、しぐさ、声や音、環境などに特定の感情が錨を下ろして固定された状態です。
多くの苦手もアンカリングが原因
私のクライアントさんに朝礼が苦手な女性がいました。
普通の会議ではそこまで緊張しないのになぜだか朝礼はいつになっても克服できないのです。そしてそんな自分にOKが出せないのです。
朝礼を苦手としている人って結構いますね。
そこで彼女に目をつぶってもらい、朝礼の場にいる自分をイメージして
もらいました。
すると彼女は眉間にしわを寄せて、「ドキドキして胸が苦しい」と訴えたのです。
では彼女は今、朝礼の場に本当にいるでしょうか?
もちろんいません。イメージしているだけです。
でも体はまさに今朝礼にいるかのような反応をしてしまうのです。
これも一種のアンカリングと言えます。
朝礼の場所、そこにいる人などの環境自体に緊張感がアンカリングされているのです。
では知らず知らずうちに出来上がったアンカリングはどのように解除すれば良いのでしょうか?
それには2つの方法があります。
1.同じ対象に、違う感情を結びつける
2.違う対象に、同じ感情を結びつける
朝礼での対策は1番が適しています。
朝礼のイメージを変えて、そこにプラスの感情を植えつけるのです。そうすることで実際に朝礼の場面でも従来の緊張感が湧き出さなくなるのです。
では2番はどんなときに使えるのかというと、昨日お伝えした「晩酌を止める」ということに使えます。
私が晩酌していたのも、お酒に開放感がアンカリングされていたからなのです。
ですからお酒にアンカリングされていた開放感を他の飲み物にリンクさせたのです。
その結果、麦茶でも満足できるようになれたのです。
このように私たちの日常にはアンカリングが実はたくさんあるのです。
そしてそれが苦手意識や自分にOKが出せない原因にもなっているのです。
以上、第18講はアンカリングについてお話しました。
それでは、次回をお楽しみに!
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