ゴキブリ恐怖症の原因と克服、治療方法
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ゴキブリ恐怖症の原因と克服、治療方法
ゴキブリ…
この文字を見ただけでも嫌な気持ちになる方もいるのではないでしょうか。世の中のほとんどの人はゴキブリが嫌いです。
ではどうして、コオロギやバッタ、カブトムシなどは平気な人でもゴキブリはダメなのでしょうか?
その原因から克服方法までお伝えしたいと思います。
ゴキブリ恐怖症の原因
ゴキブリが嫌いになる要因は3つあります。
1.家の中に出没する
2.駆除対象
3.不気味な情報
まず、私たちがゴキブリを目撃して驚くのは得てして家の中ですよね。
本来、家の中は家族だけが住む平和な空間です。その平和を乱す不法進入者が出没すると、やはり排除したくなります。
たとえば、その辺の道端でアリを見ても大して驚きませんが、家の中で見つけると例え一匹でも結構大騒ぎですよね。
「どこから進入して来たんだ?」と、家の密閉性や構造など別のことも不安になってしまいます。
ですから、どんな虫でも家の中に不法侵入すれば駆除対象になってしまうのです。
特にゴキブリの場合には動きも早く、場合によっては飛ぶので駆除が難しく、天敵感を煽ってしまうのです。
そしてゴキブリをさらに苦手にさせる大きな要因に不気味な情報があります。
「1匹見かけると100匹いるぞ!」
「核戦争になっても生き残るんだって!」
「昔食べて死んだ人がいるそうだ!」
「実は無茶苦茶頭が良いんだってさ!」
という、ある種ホントかウソか良くわからない都市伝説的な情報もゴキブリの存在をより不気味にさせているのです。
では、もしゴキブリが苦手になるこれら3つの要因
1.家の中に出没する
2.駆除対象
3.不気味な情報
がないとどうなるのでしょうか?
1.家に出没しない
2.出ないから駆除対象でもない
3.不気味な情報も耳に入らない
実はそんな人というか地域があるのです。
例えば北海道。私も北海道出身なのでよくわかるのですが、北海道の家庭にはゴキブリは出ません。
理由は寒いからです。実はゴキブリは寒さに弱いのです。
なので、ほとんどの北海道民はゴキブリを見たことも、見た人の情報も直接は耳に入ってきません。
笑い話で有名なのが、本州に旅行に行った北海道の人が旅館でゴキブリを見つけて、珍しいのでカゴに入れて持って帰ろうとしたそうです(笑)
「どうだ!これが本物のゴキブリなんだぞ~!」とみんなに自慢しようと思ったそうです(汗)
要は、ゴキブリに対するネガティブなイメージや先入観がほとんどないのでゴキブリを恐れていないのです。
逆に稀少動物扱いするくらいです。(もちろん人にもよります)
ゴキブリ恐怖症を治すには、実はそこがミソなのです。
小さいころからゴキブリを見ている人は少なからずゴキブリが出没したときの家族の慌てる姿を見ています。
中にはお母さんがゴキブリが超苦手で「ギャーッ!!」と大騒ぎする家庭もあるかもしれません。
するとどうなるのか?
脳はゴキブリにこんなイメージを貼り付けます。
「ゴキブリ=危険な存在」
「ゴキブリ=気持ち悪い存在」
「ゴキブリ=大騒ぎする存在」
「ゴキブリ=平和を乱す悪者」
どんどんネガティブなイメージを貼り付けるのです。
逆を言えば北海道の人にはこのようなネガティブなイメージが張り付く体験自体がないのです。
ということは、実はゴキブリそのものが嫌いなのではなくゴキブリにへばりついたネガティブなイメージが嫌いなだけなのです。
大切なのでもう一度言います。
私たちは、ゴキブリの「イメージ」に反応しているのです。
ですからゴキブリに張り付いたイメージを変えることで苦手意識も改善されるということが言えるのです。
でもそんなことが実際に可能なのでしょうか?
実はイメージは変えられるのです。
そしてゴキブリのイメージを変えることで、ゴキブリへの苦手意識や恐怖症を解消することも十分可能なのです。
ゴキブリ恐怖症を克服する2つの方法
ゴキブリ恐怖症を解消するには、イメージを変えることが効果的だとお伝えしましたが、ではどうやってイメージを転換すればよいのでしょうか?
そこで2つの方法をご紹介します。
1.イメージを変える
(ⅰ)イメージの分析
ゴキブリが苦手な人は目の前のゴキブリを独自のフィルターをかけて見ていることがあります。例えば実際よりも大きく黒々としたイメージで見ていたり、ゴキブリが出てきた瞬間にその場が暗黒の世界に変わったように見えたり…そんな自分の中にある独自のイメージをゴキブリに貼り付けているのです。
一方ゴキブリが平気な人は、「単なる小さな昆虫」としか見ていないので、なんの脅威も感じません。
このように「ゴキブリ」が苦手な人はネガティブなイメージが自分の中で固定化されているのでそのイメージを転換して行くことが苦手を克服する近道なのです。
ではイメージ転換の手順をご紹介します。
まず「ゴキブリ」と聞いてパッと思い浮かぶイメージを以下の項目でチェックして行きます。
見えているイメージは
- カラーか白黒か?
- 動画か静止画か?
- 動きは速いかゆっくりか?
- 立体的か平面的か?
- ハッキリしたイメージかぼんやりか?
- 明るいか暗いか?
- イメージが見えている位置はどこか?(高さ、左右、距離)
- 音があるのかないのか?
- その他五感で感じる要素があるのかないのか?
(ⅱ)イメージの転換
チェックができたら、各要素を変えて行きます。
カラーで見えているのならイメージを白黒に変えてみます。
そして要素を変えた時にイメージに対する「嫌な感じ」が減るのか?増えるのか?変わらないのか?をチェックして行きます。
ひとつの項目でチェックが終わったら、また元のイメージに戻してから次の項目をチェックして行きます。
そして全部のチェックが終わったら、嫌な感じが減った要素を順番にイメージ転換して行きます。
そしてすべてのイメージ転換が終わったら、改めてそのイメージを眺めて嫌な感覚がどう変化したのかを確認します。
この時点でうまくいけば、全く嫌な感じがなくなります。
2.平気な感覚を味わう
ゴキブリが苦手な人に「自分はゴキブリが平気になった!という感覚を感じてみてください」と言っても、頭ではそう思い込もうとしてもなかなか平気な感覚までは体感できません。
私たちはイメージできないことは体感もできないのです。
ですから、「ゴキブリを見ても平気だ!」という感覚を体感できれば、実際にもそう変化して行くのです。
そこで実施するのが、平気な人の感覚を疑似体験するというものです。
心理学では「モデリング」と言われている手法です。
手順は以下です。
モデリングワーク
- 自分の周りにいるゴキブリが平気な人を一人選びます。仮にAさんとします。
- 次に自分の前に強化ガラスがあり、向こう側と仕切られている状態をイメージします。(ガラスで仕切られた動物園や水族館の水槽といった感じです)
- ガラスの向こう側にAさんをイメージします。
- Aさんがゴキブリを前にしても動じずに冷静に対応している姿を観察します。
- 次にAさんの姿を見た目だけ自分の姿に変えます。中身はAさんそのものです。
- 見た目だけ自分に変身したAさんが先ほど同じように平気で対処している姿を観察します。
- そのAさんをガラスのこちら側に呼び目の前に立たせます。
- Aさんの立っている位置に一歩踏み出してAさんと一体化するイメージをします。(自分がAさんに変身する感じです)
- 目の前のガラスを取り除きAさんに変身した自分としてゴキブリに平気で対処している自分を体験します。
- 平気な感覚を十分に味わいます。
以上がモデリングワークです。
こんな方法で本当に平気な感覚を味わえるの?と思うかもしれませんが、しっかりAさんになりきってワークを行うと不思議とAさんの平気な感覚を味わえます。
すると脳は現実とイメージの区別がつきませんので、脳は「ゴキブリ=苦手」から「ゴキブリ=平気」という錯覚を起こし始めます。
そして自分の中にあるゴキブリのネガティブなイメージが転換して行くのです。
この他にもそれぞれの苦手の度合いなどによって幾つかの心理ワークを組み合わせることでゴキブリ恐怖症を改善させることができます。
まずは是非ご自身でもイメージワークをやってみてください。
もしそれでもダメなら専門家の力を借りて克服への道を進めてみましょう。