高所恐怖症の原因と自己診断
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高所恐怖症の原因と自己診断
「私、高いところが苦手なの」と言う人は案外多いですよね。
高所恐怖症とはその名の通り高い所に強い苦手意識や嫌悪感、恐怖を感じる症状を言います。
例えば…
・足がすくむ
・震える
・逃げ出したくなる
・腰が抜ける
・その場から動けなくなる
・パニックになる
・胸が苦しくなる
と言った症状が起きてしまいます。
そして、
・橋や歩道橋を渡れない
・ビルの窓に近づけない
・窓のあるエレベーターに乗れない
・吹き抜けで下を見れない
・観覧車やジェットコースターに乗れない
・イスの上にも上れない
と言うように日常生活に支障を来たしてしまこともあるのです。
ですから高所恐怖症と一言でいってもその症状の重さは人それぞれです。
ではあなたの高所恐怖症はどれくらいの重度なのでしょうか?
まずは自分を知ることが大切です。
以下の項目参考に診断をしてみて下さい。
高所恐怖症の診断
1.軽度の高所恐怖症
日常生活の中ではあまり苦手を意識することはないが、高層ビルや高層マンション、展望台など見晴らしが良い「特定の高所」に対して恐怖を感じる。
2.中度の高所恐怖症
日常生活の一部分で苦手意識や恐怖を感じるが、何とか我慢しながら行動できている状態。
高層ビルや展望台はもちろん、ショッピングセンターなどの吹き抜けのエスカレーター、外の景色が見える透明なエレベーター、高層階の窓やベランダから景色を覗くことは難しいが、その階自体にはいられる。
3.重度の恐怖症
日常生活に支障を来すほどの恐怖心が起き我慢できない状態。時には動機やめまい息苦しさを感じてしまう。
例えば、
・イスや机の上に載れない
・歩道橋が渡れない
・飛行機に乗れない
・一般的な階段やエスカレーターが怖い
・2階以上の階に抵抗感がある
・高層階では窓に近づけない
・高層階にいること自体がイヤ(フワフワ感を感じるなど)
このよう一言で高所恐怖症と言っても、それを感じる場面や状況、恐怖の度合いは様々です。
高所恐怖症の原因
で人はなぜ高所恐怖症になってしまうのでしょうか?
それには大きく分けると2つの原因があります。
①本能
②体験
この2つが高所恐怖症の2大原因となっています。
まず高所恐怖症の土台となるのが①本能です。
我々人間の一番大きな欲求は「生存欲求」です。これは動物的な本能です。
高い所は足を踏み外して転落してしまえば命を失う危険があります。ですから本能的に危険を察知して、そこから落ちないように身構えます。それが高い所での警戒心や緊張感になっているのです。
ただ問題は、崖や木の上などの不安定な場所に立っているわけではなく、建物の中や、強固な橋の上でさえ恐怖を感じてしまうことです。
頭では「ここは危険な場所ではない」と理解しているのです。しかし体が拒否反応を示してしまうのです。
そして本来自分を守るべき本能が、日常生活に支障を来たしてしまうという矛盾した状態になってしまうのです。
そのヒントが②体験にあります。この体験はさらに2つに分けられます。
(1)直接体験
(2)間接体験
例えば、子どもの頃ジャングルジムから落ちて痛い思いをした体験や、崖の上で身がすくんでブルブル震えた体験など、高い所で恐怖や痛みを自分が直接感じた体験が「直接体験」です。
一方、お母さんが高い所で怯えていたのをしばしば見た、テレビの芸能人が高い所で怯えていたのを観た、マンションからの転落事故をニュースで聞いたなど、自分が実感したわけではなく間接的な情報から「高い所は怖いんだ」と認識したものが「間接体験」です。
これらの直接、間接体験から「高い所は危険だ!」「高い所は怖い!」「高い所に行ってはいけない!」という価値観が出来上がり、それが自己防衛本能となって無意識的に高い所を拒むようになってしまうのです。
あなたは常に守られている
脳には「安心安全を維持する」という機能あります。
人間の究極の目的は生命の維持です。食欲、睡眠欲、性欲といった欲求も最終的には生命の維持のためなのです。
そのために必要な絶対的な条件の一つが「安心安全」なのです。
この安心安全には身体的なものと精神的なものの両方が含まれます。
何も身構える必要のない安全な場所、そして何も緊張のないリラックスできる安全な状態を脳は好むのです。
なぜならそれが生命の維持に結びつくのですから。
では小さな頃に高いところから落っこちて痛い思いをした場合にはどうでしょうか。
高いところから落ちると言うことは生命を危険にさらす出来事ですよね。
ですから脳はそんな出来事を二度と起こさないように機能し始めます。
では、二度と高いところから落ちないための一番効果的な方法は何でしょうか?
そう【高いところに行かない】と言うことです。
では高いところに行かないようにするにはどうすれば良いでしょうか?
それは簡単です。
「高いところに行きたくない」と体に反応させれば良いのです。
その反応が「恐怖心」や「震え」と言った身体反応なのです。
恐怖心と言うのは言い換えると「警報」です。放射能測定器も、放射能の発生源が近づくと警報を発します。そうすることで危険を知らせることができるのです。
実は人間にも同じ機能が備わっているのです。
高所恐怖症に限らず、あらゆる恐怖症は対象物に対する警報の役目を果たしているのです。
「高いところ=危険」という自己防衛プログラムが脳に作られて、二度と同じ間違いを犯さないように、常に監視を続けているのです。
これが高所恐怖症の原因、そして正体なのです。
ですから恐怖症とは私たちを苦しめるものではなく、本来は私たちを危険から守ってくれている「ありがたい機能」なのです。
高い所が平気な人と苦手な人の違いとは?
ではどうして高所恐怖の人もいれば、高い所が平気な人もいるのでしょうか?どうして個人差が起きるのでしょうか?
先程「誰しも本能的に高い所に行けば緊張する」と説明しました。
ただその反応にももちろん個人差があります。心配性や臆病な性格な人はより緊張感が強くなりますし、冒険心やチャレンジ精神が強い人は緊張感が逆に高揚感になる人もいます。
また、「高い所は危険だ!」「高い所は危ない!」と体験を通して感じる人もいれば、「高い所は見晴らしが良い!」「高い所は気持ちが良い!」と体験を通して感じる人もいます。
このように過去の体験から何を感じ、何を価値観として来たのかで高い所がダメか平気かが分かれるのです。
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