悩み、苦しみの根本的原因とは?
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悩み、苦しみの根本的原因とは?
精神分析の祖、フロイトがこんな言葉を残しています。
我々の時代以前には、あまり悩みや苦しみがなかったかのように思う。
我々の時代の頃から、悩んだり苦しんだり、精神を病む人が多くなった。
その原因は通信や放送の発達だろう。
隣の町で村で、あるいは近くの国で、こんな生活をしている、ということが情報として届くようになったからだ。
自分と他人との生活を比べるようになってしまった。
フロイトがこの世を去ったのが、1939年。
それから80年経った現代。
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット、チラシ、広告…
手元にはスマホがいつもあり、バスや電車に乗ればつり革広告があり、あえて情報を取りに行かなくても、向こうから勝手に様々な情報が目に飛び込んでくる時代です。
「携帯のない時代は、どうやって待ち合わせをしていたんだろう?」と思ってしまうくらい、何かと便利になった現在。
ただその一方、
うつ病などの心の病に苦しむ人が100万人。
自殺者が3万人超え。
外部からの情報で満たされれば満たされるほど、逆に心は満たされなくなるという逆転の現象が確実に起きているのです。
SNSが比較を加速させる!?
最近ではSNSを使うと、誰でも簡単に情報を発信できます。
SNSによって出会うことのなかった人と出会えたり、懐かしい人とつながれたり、より親密な人間関係を構築できたり、といったメリットもあります。
またSNSというのは多数の外部に公開するため、多くの場合投稿する内容はポジティブなものばかりです。
「こんな素敵な場所に行ったよ!」
「こんな美味しいお料理食べたよ!」
「こんなに素敵な人と一緒に過ごしたよ!」
「こんな素敵な出会いがあったよ!」
「こんなに楽しいよ!」
「こんなに充実してるよ!」
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そんな感じの投稿が多いのではないでしょうか?
投稿している本人は意図的にそうしているつもりではないのに、やはり外部に見せる自分は、本当のより「良い状態の自分」や「楽しい状態の自分」、「存在感のある自分」としてアピールしてしまうのです。
もちろんそんな投稿を楽しく見る人もいますが、その一方…
「この人こんなに楽しく過ごしているのに、自分は…」
「この人こんなに多くの人に囲まれているのに、自分は…」
「この人こんなに素敵な人生を過ごしているのに、自分は…」
と比較と劣等感が生まれてしまうこともあるのです。
SNSをこまめにチェックし、逆に劣等感を感じてしまう…
これでは一体何のためにSNSをやっているのか分からないですよね。
あまりにも強く違和感を感じるのなら、「あえて見ない!」という選択肢もあって良いのです。
なぜ私たちは人と比較するのか?
ではなぜ私たちは、他人と自分を比較してしまうのでしょうか?
祖先の時代から私たち人間は集団で生活する動物でした。
集団生活するには、「相手に合わせる」という必要性があるのです。
みんなが北へ向かっているのに、自分だけ南へ向かっては、集団移動はできません。みんなが狩りに出かけるのに、自分だけ寝ていては集団の一員として認められません。
やはり集団の一員として生活するためには、相手が何を考え何をしているのか?どんな状態なのか?ということをつぶさに観察して、自分とのギャップを知り、修正する。
ということが求められるのです。
ですから、私たちは放っておいても他人と「比較」してしまう生き物でもあるのです。
過度な比較を和らげる3つの思考法
『人間は比較する動物である』とは言っても、それが度を越してしまうと、劣等感になり。集団生活自体が苦痛になってしまいます。
では、そうならないためにはどうしたら良いのでしょうか?
そこで過度な比較を和らげる3つの思考法をご紹介します。
1.違いを認める
地球上には約77億人の人間がいます。しかし誰一人として同じ人間はいません。ということは、「77億通りの個性がある」とも言えるのです。
77億の個性が集まり人類を形成しているのです。
そう考えると、自分と他人を「お金があるない」「仲間が多い少ない」「モテるモテない」と言った限定された視点だけで見て比べるのはバカらしいことなのです。
あなたには、あなたにしかない要素や個性があります。
他人にも、その人にしかない要素や個性があります。
人それぞれ得意なことも不得意なこともあります。
ですから同じ尺度で比較すること自体が実は無意味なのです。
他人のようになる必要などないのです。
他人のことはあくまでも参考程度にして、自分は自分のすべきことに集中するというスタンスがちょうど良いのです。
2.人生のステージを知る
人には様々な要素や性格があります。
そしてその要素や性格はさまざまな経験を積むことで変化して行きます。
ですから人それぞれ成長のスピードや段階が違います。
赤ちゃんでも早くに歩けるようになる子もいれば、遅い子もいます。どちらが優れているということはないのです。
例えば同期がバリバリ活躍している。それに引き換え自分は雑用ばかり…
と落ち込んでいる場面。
しかし、仕事の内容も違いますし、先程説明したように人それぞれ得手不得手も性質も違いますので、仕事への向き合い方も、行動習慣も違います。
一見するとそれが能力の差に思われがちです。
しかし、人それぞれ人生のステージが違うのです。
早い段階で仕事ができるようになる人もいれば、なかなか芽が出ずに長い下積み時代を過ごした後に、その経験が一気に花開く人もいます。
辛い時ほど人と比較してさらに落ち込みがちです。しかし辛い時ほど成長するタイミングなのです。「今は筋力をつける段階なんだ!」と自分に言い聞かせ、今の自分にできることに精神誠意取り組んでください。
目の前のことをおろそかにせずしっかりと取り組むことで必ず進化成長できるのですから。
3.自分の価値観を知る
例えば自分は「リーダーシップがない」ということに劣等感を感じている人がいるとします。
確かにリーダーシップというのは管理職など人をまとめる立場の人にとっては重要な要素となります。
しかし、「リーダーシップ」というのも人の持つ要素のうちの一部分でしかありません。
またリーダーシップと一言で言っても、さまざまな形があります。
- 自ら動いてグイグイ引っ張って行くタイプ
- げきを飛ばして行動させるタイプ
- 皆が動きやすいようにサポートするタイプ
- 細かな指導や的確な指示を出すタイプ
- 権限を与えて自由に動かせるタイプ
などなど、その人の性格や特性、実績によって「リーダーシップ」も様々な形態があるのです。
しかし、自分の中に「リーダーシップとはグイグイ引張ることだ!」という価値観があると、本当は皆を安心させサポートすることでリーダーシップを発揮できるタイプなのに違う自分になろうとしてしまいます。
これではせっかくの特性が生かし切れません。
人との比較の裏には必ず
「◯◯でなければいけない!」
「◯◯すべきだ!」
という価値観があります。
しかし、その価値観はあくまでも自分独自の考えや思い込みなのです。
もしあなたが人との比較によって劣等感を感じているのなら、その比較はどんな価値観の土台の上に成り立っているのか?ということを探ってみてください。
そしてその価値観がわかれば、それを緩めて行くことで、過剰な比較も緩められるのです。
以上、「過度な比較を和らげる3つの思考法」をご紹介しました。
ぜひ今後の参考にしてみてください。
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